先見者の孤独

コロナ禍について語ろうと思っています。
私の個人的な見解としては、
1・未体験ゾーンに入っている現実
2・事業の再構築を図らねばなない
3・具体的に行動すべき
ということです。

私はピータードラッカーの一般的な読者に過ぎませんが、あたえられた恩恵は数限りありません。「ネクスト・ソサエティ」では、「今までの歴史上見たことのない未来が始まる」と警鐘を鳴らしていました。

ドラッカーの真骨頂は、時代の気流を感じ、流れがどこにあるのかという、転換期を認識するところにあります。
その上で、このコロナ禍という転換期を
・どう読むか
・どう生きるか
を各人が決断し行動しなければならない、ということです。

1・未体験ゾーンに入っている現実

さて、特筆すべきは、ドラッカーの警鐘が現実になったということです。

つまり、予測とか未来とかの話ではなく、現実だということです。

あらゆる地域社会、企業組織、家族構造にも、問題課題となっているのです。

私の専門分野である物流ではどうかと言えば、
・残業が認められず、収入が減った
・派遣作業員が切られた
・通販物流は活況で、人手不足

また、物流セールスの側面だけを見ると、
・顧客訪問ができなくなった
・SkypeやZoomでの面談やミーティングが増えた
・在宅勤務を余儀なくされた

私たちは、これらを課題テーマとし、積極的に取り組んでいるでしょうか。

『・・・実はそれらの組織や人こそ、明日のリーダーとして「明日を支配する」組織であり、人である。
逆に、手をこまねいているものは、落ちこぼれたまま再起不能となる組織であり、人である。・・・』
――『明日を支配するもの』(1999)――

今、政府や行政は、外出自粛や医療崩壊を招くことのないような政策を取っていますが、われわれ事業者はどのような対策を取っていくべきでしょうか?

根本的な考え方を示すなら、これはやはり、リーダーの課題であり、マネジメントがカギを握っていると思うのです。

2・事業の再構築を図らねばなない

もはや、データを収集したり、コストを計算したりしている場合ではありません。とくに、企業の収入は、コストの管理ではなく、売上を創造するところにあります。

そのために、とくに大事な情報は、自社の「強み」に関する情報です。
同じ業務を行う中で、もし、
・関わる人員数を縮小、あるいは
・延べ時間を短縮すること
に実績を上げているならば、それが「強み」といえるのです。

今この時点で、
・市場が短期的に要求し、かつ、
・喜んで対価を払ってくれるものは何か
を明らかにすることです。

これらから、企業組織が明らかにしていく必要がある3つの点に注力してください。
・行うべき仕事メニューの改定
・仕事を遂行すべき組織変更
・リーダーの発信する言葉

3・具体的に行動すべき

それから、行動すべきは、次の2点です。
・資金の配分
・人材の再配置

いかなる情報、いかなる判断であっても、これに結びつけることです。

変化はつねに、組織の外からやってくるのです。

資金と時間が限られている中で、方向性を見い出さねばならないとしたら、
われわれは、以下の5つの疑問の答えを導きださねばならないのです。

1・自社の既存客について、どういう短期的要求があるのか?
2・ノンカスタマーはどうか?
3・データを情報に、情報を判断材料にする者は誰か?
4・必要なコミュニケーションは何か?
5・自分は他から何を求められているのか?

自社ではなく、自分です。
まずは、自分が何をするか、を強く意識するところからはじまるのです。

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