市場で認知されるには

事業をはじめるのに、商品やサービスから入ってはなりません。
それだけだと、誰にも気がついてもらえないということになります。
自己満足では売れないのです。

それには、市場を意識すべきところでしょうが、
物流はよほど際立った商品やサービスでない限り、市場はつくれないのです。

他社がすでに構築されている市場に入り込むしかない。

主戦場をみつけること

宅急便宅配便が、ガーっと出てきたとき、
路線会社(現在の特積み)の1個口扱いとどこが違うのか、
利用していた私たちには、よく分からなかった、というのがあります。

具体的には当時、クロネコヤマトや佐川急便が行っていたサービスと、西濃運輸や福山通運の見分けがつかなかったということです。

くり返しますが、いい商品やサービスだからといっても、滅多に市場はつくれないのです。

だから、商品やサービスを軸に市場を構築するのは、宣伝し世間に認知されるまでお金がかかる。とくに物流の場合は、利用者のニーズをつくり出さなくては、新商品・新サービスとして確立できないのです。

要は、クロネコヤマトや佐川急便は、荷物1個口扱いの市場に参入するのに、相当な覚悟があったのだろうし、当然、時間と労力とお金が掛かったのだろうと思います。

私がその当時感じていたのは、認知を拡げるにはお金が掛かるということです。
とうぜん私の所属していた、物流会社にはできないことです。

それより手っ取り早いのは、競合他社がいる市場に参入することでした。
市場の内側で、見込み客と競合他社の間で、すでにお金のやり取りがある、というところが主戦場になるのです。

新規事業の見極め

ですから、新規の事業開拓と銘打ちはしましたが、実際に行ったことは、いい位置づけでの信頼を勝ち得ること。
そして、競合他社から、お客さんを奪うことでした。

それには、
・お客様を基準にしてものを考える
・市場の中のお客さんに、何度もアプローチすること
それ以外に事業を拡大することは出来ないと、腹をくくりました。

みんな、新規事業というものに飛びついてしまいがちです。
今までにない、物流サービスの構築、システム作り、
経営トップから、下の者まで、そちらばかりに目が向いてしまう。
誰が陣頭指揮を執るのかに、興味関心が集まってしまう。

しかし、世の中にそれで成功した、結果が出せたという例はどのくらいあるのでしょう。
私も相当数のチャレンジをしましたが、7~8割は失敗しました。
事業として3年持たずに、解体したのです。

転ばぬ先の杖

完全に新しいものだと、最初の内は派手に人材やお金をどんどんつぎ込んでしまう
やがて、人は疲弊し、予算は尽きてきます。
すると、さーっと水か引くように、企業全体の勢いがなくなるのです。

いいビジネスモデルがあるわけではありません。
いい儲け方があるわけではありません。

けっきょく過去の延長線上を、なぞっていくしかないのです。
なぞっていく順番は、知識→経験→スキル→実績→信頼構築の順です。

知識があるものは何かを先ずは、きちんと捉えることです。
それが見えてくれば、今までの経験とスキルを活かすことができます。

今までの延長線でやるべきだし、市場をずらしてはならないのです。

事前に何をやるか

そのためには、自社の力を査定することです。

自分の会社って
・どれくらいの実力があるのか
・市場でどれだけの認知があるのか
・どのポジションを占めているのか

さらに、自分の会社の値打ち調査です。
・どういった顧客に対して、看板の効力があるのか
・人脈を構築できるか
・広告が使えるか

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