商品開発のキモは何か?

人は自分のアイデアとか企画とか、情熱を持って取り組んだものを、
・商品化したい
・それを売りたい
と考えています。
と、ここで忘れてならないのは、
自分にとって「よい」商品だから、相手も「よい」だろうと思いますが、実際に相手も「よい」とは限りらないということです。
「思い」の空回り現象ですね。
開発した商品が、
・成分もいい
・味もいい
・値段も安い
と言われても、「どうなんだろう?」となってしまいます。
中年太りの人に、ダイエット食品をおすすめしても、相手が欲しいかどうかは分かりません。
実際には、相手は、コーラとポテトチップスがもっと欲しいのかも知れません。
むしろ、どういうことに、時間とお金を使っているのかを聞いてしまった方が簡単です。
・どんなものを買っているのか?
・何が好きなのか?
・どの銘柄を使っているのか?
を聞くとよいでしょう。
聞く=聴く=訊くです。
要するに質問の妙です。それが、商品開発の成否を分けるといっても過言ではありません。
商品開発のキモは、
1・お客さんのニーズを訊く
お客さんの考えや思いの中で、すでにはっきりしている悩み、あるいは願望のことです。
既存商品、類似商品のことであり、それに抱いている不満や要望であるとも言えます。
2・自分たちの持っている技術や知識を当て込む
自社にすでに存在しているものがいちばんよい。
なければ、他から仕入れればよい。
これを行うのは、商品開発担当者ばかりではないのです。
マーケッターや営業マンもその任に当たるべきかと思います。
3・お客さんのウォンツに昇華させる
お客さんの中に潜在化している、既存商品には満足できないものを、明確に打ち出すこと。その商品がお客さんの琴線に触れること。
求めている人にとって、小躍りするような、ビックリするようなものです。
この「求めている人にとって」というのが、キーワードです。ごく小さな市場で構わないのです。
聞くことで化学反応を起こせ
これはまた、創造的な組織をつくり出すことでもあります。
ドラマ『下町ロケット』で起こったイノベーションは、
1 + 1 で求められる数字以上の成果をつむぎ出しました。
イノベーションは、既存のものや情報を組み合わせて、新しい概念や商品を作り出すことです。
・従来のものを変革する
・新たな価値を創造する
・社会に変化をもたらす
この根底にあるのも、相手に聞くという態度です。
相手がする話を単に聞いていただけでは、「ああ、なんか自分とは違うなあ」で終わってしまうのです。
「違うなあ」と思ったのなら、「自分はこう思いました。どうでしょうか?」と話し手に聞くことです。
聞くことで、そのプロジェクトをスタートすることです。
聞くことで、自分と他人をつなぐことができるのです。
自社と他社もつなげるのです。