結果を出す人のエネルギー源

 物流現場の最前線で、疲れを知らず、飽くことなき改善精神をたぎらせているリーダーに共通していることが、1つだけあるような気がします。
 それは、哲学があるということです。
 もし、これを読んでいる人の中で、
  ・リーダーになりたい
  ・リーダーを育てたい
という人がいるならば、それは、哲学を持つことだと思うのです。

哲学に学ぶ現場経営の原理

 現場経営は、あらゆる業種業態において、もっとも困難なテーマです。
 なぜなら、現場では往々にして、
  ・成果よりも努力することが重視される
  ・職人的な技能を獲得することが奨励される
  ・成果のためではなく、仕事のための仕事をしてしまう
  ・改善が力ではなく、ムダな贅肉をつけるために行われる
  ・手順書が未来のためではなく、過去にとらわれるために書かれる
ものだからです。
 分かりやすく言うと、リーダーが信念をもって事に当たっていないと、努力・技能レベル・改善をやればいいのだという考えに、現場は染まってしまうということです。
 リーダーに必要なのは、
  1・自己犠牲を発揮し、他の人に与えること
  2・理想や信念を示し、力を貸してもらうこと
であり、これはまさに、思想であり、宗教でもあり、哲学です。

『松下7精神』のお薦め

 心ある人はぜひ、松下幸之助が掲げる「松下電器が遵奉すべき精神」としての『松下7精神』を、読まれることをお薦めします。
 私がこれに注釈を挟んだり、私見を加えたりすることはまったくありません。

 また、幸之助は、リーダーが自分の現場をどう運営するかについても明確に、
  ・自分が「社長」であるとの自覚を持って創意工夫する
  ・上司や同僚、後輩など周囲の人々も“お得意さん”と見なして意見を聞く
  ・自分なりに仕事を楽しむ
ことによって、はじめてレベルの高い現場が形成されるとしています。
 まさに「奉仕の心」で臨み、「やらなければならないとしたものを、最後までやり遂げるという使命感」を出し続けることは、それ自体がとても大切な「自分づくり」でもあると言っています。

基本の哲学を求め、示し、貫く

 リーダーが行動で、あるいは言葉で、もしくは決断で示すことが、そのチームを生かしもし殺しもします。したがって、まず、自分に与えられた職場において、理想や信念や使命を、何らかの形で出していかなくてはなりません。
 誰も何も言わない時に、何かをうち出していくことができる者がリーダーであり、うまく仕事をこなすだけの人物をリーダーとは呼ばないのです。
 そして、社会の原理、経済の原理から見て、その示されたものが、価値あるものとして、収益を生み出すものかが試されます。かっこいい!だけでは、話にならないのです。
 1・新規の事業を打ち出したら、すばやく軌道に載せて、安定的に売上げをもたらさなくてはなりません
 2・改善をしたら、改善の成果を出さなくてはなりません
 3・失敗したら、成功するまでやり直さなくてはなりません
そしてもっとも大事なのが、
 4・やめるべきものを決定して、粛々と実行することです

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