リーダーが持つべきバランス感覚

「リーダーに能力があれば成功できる」と思った事はないでしょうか?
確かに能力があれば、物事はうまく運びます。ですが、リーダーにとって能力を備えるというのは難しい事ではありません。ふつう、能力が高いから、リーダーを張っているのです。
むしろ今回は、能力以上に大事な要素について考察していきたいと思います。
私が思う要素、それはバランス感覚です。
なぜなら、リーダーひとりの力だけで、船が方向を変えるわけでも、道が開けるわけでもありません。やはり周りの多くの人々の力を結集することができるバランス感覚こそ、持つべき手腕であり、能力ということになるのではないかと思います。
バランス感覚2つの面
そのリーダーにとっての「バランス感覚」とは、2つの面があります。
1・収入と支出についてのバランス感覚、つまり金銭面について
2・人の適材適所ができるという意味でのバランス感覚、つまり人材について
人は自分に向いているところ、もっと言うと興味関心のある分野、あるいは面白そうなところで働きたいと思っています。
その意見を聞いて、要望どおりにしてあげるというのがあります。
逆にそうではなく、本人は気づいていないけれども、潜在的なものを発揮できる環境に仕向けるかどうかを決める時もあります。
リーダーは自らに与えられた職域全体で、どのように人員を配置するのが、もっとも成果が上がるのかを判断しなければなりません。
この意味において、人の適材適所こそがもっとも、リーダーがバランス感覚を発揮すべき場面と言えるのではないでしょうか。
未来志向型であれ
リーダーのマインドセットとして大事なのは、常に目線が前を向いているということです。しかも、ずっと先、3年先、5年先、10年先を見て、今をどうするかを考えていく必要があるということです。
とうぜん、自分の仕事分野以外の予想図も描き見ることも含まれます。複数の予想図から、自分たちの進む方向、未来の在り処も探っていくのです。
そのためには、過去の眼も必要でしょう。会社の歴史、事業展開の歴史、顧客の出入り、
時代の変遷をふり返り、
・何が現在をつくり出しているのか
・ターニングポイントといえるのは何だったか
・それがしっかり認識されたものとして、自分の中に刻印されているか
を確認する必要があります。
暫定的なプロジェクトのリーダーだとしても、それを基盤にする必要があります。
ベクトルを他に向けよう
思考の基盤作りは、新体制がスタートしたり、プロジェクトがキックオフされては、もう後戻りできません。ぜひ、年度はじめやプロジェクトを組成する前に、ひとり静かに、取り組むべき課題です。
それから、忘れてはならないマインドセットがもう一つあります。
自分ひとりだけの利益、自分の会社だけの利益ではなく、もっと大きなものへの貢献とでもいうのでしょうか。そういう社会性のある動きも必要です。