大局と小事の両方ににらみを利かす

全体を見る目を磨く
タスク:動作というのは、ジョブ:作業をこなすのに非常に大切な要素ではあるのですが、ビジネス全体で考えた場合、タスクというのは、ほんの小さな一部分でしかないのです。
ジョブも同様です。ジョブはアクティビティ:業務の構成要素でしかありません。
当のアクティビティも別格の存在ではない。ワーク:仕事の一部分にすぎません。
では、誰がそれらを、個のレベルを超えて事業として、あるいはビジネスとして、カタチにしていくのでしょうか。
そればかりではありません。
とうぜん、すべてのワークは事業として昇華されると同時に、会社の経営というビジネスに揉まれるのです。ジョブやタスク、それを支える技術へのこだわりだけでは、のり越えられない事態は、いつも発生しているのです。
そのような時は、リーダーが全体を見、大局を観て、進むべき方向を指し示さねばなりません。
作業チーム・部署・事業所と、会社・顧客・仕入れ先などとのバランスを取る必要があるのです。
小事にこだわる
しかし、大局観にこだわって、はたから眺めているばかりではダメです。
果敢に現場に飛び込んで、小事、細かくて一見つまらないことに、焦点を合わせることが大事です。些細なことであったとしても、疎かにしないことです。
たとえば、
・工場の生産ラインで行われていること
・販売代理店で行われていること
・配送センターで行われていること
に、ヒントが隠されています。
だから、
・目にすること
・商品に触ってみること
・お客さんの話を聞いてみること
が、必要なのです。意外に、
・返品が倉庫の出入り口に投げ棄ててあったり
・お客さんが来ているのに、奥で世間話をしていたり
・売れ筋のものが、店頭に並んでいなかったり
するものです。
ふだんからその仕事に従事している人が、見えていない、解っていないことは、ほんとうにたくさんあります。
かじ取りの妙
リーダーは、経営者に近いマインドを持って、戦略・戦術を立てていく要素があります。それと同様に、細部へのこだわりを持つ必要もあります。
業務を細分化してでも、メスを入れたいアクティビティは、物流の場合、以下の8つあります。
1・返品
2・棚卸
3・ロケ変更
4・ピッキング(出庫)
5・入荷(入庫)
6・検品・梱包
7・輸配送
8・支払い処理
たいていの問題と軋轢は、この8つの業務で発生しています。まずは、この一つ一つにおける細部の問題点を押さえること。
そして、大きな目、少し離れた目で見て、どこに、改善の焦点を合わせていくことが、今は必要かを判断すること。
そう。リーダーの仕事は、「決断する」ことでもあるのです。