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セールスマーケティングの応用事例2026.02.06

一大荷主から離れた物流会社が、営業をやめて考え始めたこと
物流会社の多くは、成長の過程で
「一大荷主」「一大顧客」と呼べる存在を持つようになります。
特定の業界、特定の企業グループ。
仕事量は安定し、売上の柱にもなる。
現場も慣れ、品質も高いレベルで維持される。
これは、物流会社にとって
ひとつの到達点でもあります。
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脱却を図った先にあったもの
一方で、規模が大きくなるにつれ、
こうした会社では、次のテーマが浮上します。
- 特定の顧客グループへの依存度が高すぎないか
- 事業ポートフォリオとして偏っていないか
- 将来の変化に耐えられる構造か
そこで、多くの会社が
「一大荷主からの脱却」を掲げます。
新しい業界、新しい荷主。
これまでとは違う仕事に、積極的に手を伸ばす。
方向性としては、間違っていません。
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しかし、現場で起きていたこと
ところが、実際の現場を見てみると、
少し違った光景が広がっていました。
- 営業担当者が、あらゆる業界に声をかける
- 小口の案件を次々に拾いに行く
- 断る理由が見つからず、案件が積み上がる
結果として、
- 現場は忙しくなる
- 管理は複雑になる
- でも、事業としての手応えは薄い
「脱却」を目指しているはずが、
気づけば、
多くの小さな仕事を追いかける状態に陥っていました。
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営業が悪いわけではない
ここで誤解してはいけないのは、
これは営業担当者の問題ではない、ということです。
- 指示された通りに動いている
- 新規開拓という役割を果たしている
- 与えられた目標に向かって行動している
問題は、
会社として、何を取りに行くのかが定義されていないことでした。
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「営業を強化する」という判断の落とし穴
こうした状況に直面したとき、
よく出てくるのが、
- 営業体制を強化しよう
- 人を増やそう
- 行動量を上げよう
という判断です。
しかし、
軸が定まっていないまま行動量を増やすと、
結果はある程度、見えています。
- 営業はナンパ的になる
- 案件ごとに判断基準が変わる
- 断れない構造が固定化する
忙しいが、強くならない。
そんな状態です。
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やめたのは「営業」だった
この壁に直面した物流会社が、
最初に取り組んだのは、
営業手法の改善ではありませんでした。
むしろ、
営業行動そのものを一度、止める。
これは、勇気のいる判断です。
- 何もしない不安
- 機会損失への恐れ
- 現場からの反発
それでも、立ち止まりました。
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小荷主を「選ぶ」という発想
立ち止まった上で、
改めて整理したのは、次の点です。
- どんな仕事なら、自社の強みが生きるのか
- 将来に向けて、積み上がる仕事とは何か
- 一時的な売上と、継続的な価値をどう分けるか
その結果、出てきた結論は、
とてもシンプルでした。
◇ 小荷主は「追いかけるもの」ではなく、
◇ 選ぶものである。
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軸を決めると、断れるようになる
軸が定まると、
現場で起きる変化は分かりやすいものです。
- すべての問い合わせに対応しなくてよくなる
- 「今回は見送る」という判断ができる
- 営業と現場の会話が噛み合う
断る理由が、
「忙しいから」ではなく、
「軸に合わないから」になる。
これは、会社にとって大きな変化です。
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ビフォーとアフターを整理すると
Before
- 一大荷主から離れようとしていた
- その結果、小さな案件を幅広く追っていた
- 営業活動がナンパ的になっていた
After
- 一大荷主依存のリスクを認識した上で
- 小荷主を選別する基準を持った
- 営業行動は減ったが、判断は増えた
売上のグラフが、
劇的に跳ね上がったわけではありません。
しかし、
会社としての姿勢は、明確になりました。
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脱却とは、拡散ではない
一大荷主からの脱却というと、
「もっと多くの荷主を持つこと」
だと思われがちです。
しかし、実際には、
◇ 脱却とは、拡散ではなく、再定義
なのかもしれません。
- 何をやらないか
- どこに時間を使わないか
- どんな仕事を積み上げたいのか
こうした判断ができるようになったとき、
初めて「次の成長」が見えてきます。
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最後に
物流会社の営業は、
行動量を増やせば、
短期的な成果は出やすい分野です。
だからこそ、
一度立ち止まって考えることに、
意味があります。
営業をやめる。
荷主を選ぶ。
軸を整える。
派手ではありませんが、
多くの会社が、
同じ壁の前に立っています。
この話が、
どこかで誰かの
立ち止まるきっかけになれば幸いです。
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