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グリーン物流とは?企業の具体的な取り組み事例と推進するメリットを徹底解説2026.07.06

グリーン物流とは?企業の具体的な取り組み事例と推進するメリットを徹底解説

「グリーン物流に取り組みたいけれど、具体的に何をすればいいのかわからない。」「他社はどんな事例で成果を出しているのか知りたい。」とお悩みではありませんか。環境への配慮が企業に求められる今、物流の脱炭素化は避けて通れないテーマです。この記事では、グリーン物流の基本や注目される背景、企業が得られるメリット、輸送・倉庫それぞれの取り組み事例、そして推進の課題と解決のポイントまでをわかりやすく解説します。自社で何から始めればよいか、その第一歩が見えてくるはずです。

グリーン物流とは?注目される背景とSDGsへの貢献

グリーン物流(グリーンロジスティクス)とは、モノを運んだり保管したりする物流活動から出るCO2(二酸化炭素)や廃棄物を減らそうとする取り組みの総称です。具体的には、トラックから鉄道・船舶への輸送手段の転換、共同配送、倉庫の省エネ化、梱包資材の削減など、幅広い施策が含まれます。
グリーン物流が注目される背景には、いくつかの要因があります。まず、地球温暖化対策としてのCO2削減です。日本のCO2排出量のうち運輸部門は一定の割合を占めるとされ、なかでも物流分野での削減が重要視されています。次に、深刻化するドライバー不足です。少子高齢化に加え、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働規制が強化された、いわゆる「2024年問題」により、輸送力の確保が大きな課題となっています。
さらに、法規制や政策の強化も背景にあります。国はトラック輸送を鉄道や船舶へ移行する取り組みを後押ししており、2026年4月には改正物流効率化法の施行も予定されているとされています。こうした流れの中で、企業には環境と効率を両立する物流が求められています。
グリーン物流は、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献にもつながります。特に「気候変動への対策」や「つくる責任・つかう責任」といった目標と深く関わっており、企業が社会的責任を果たすうえでも重要な取り組みと位置づけられています。
近年は、消費者の意識も変化しています。商品やサービスを選ぶ際に、環境への配慮を重視する人が増えており、企業の環境姿勢が選ばれる理由のひとつになりつつあります。物流は「生活を支える血管」とも例えられる存在ですが、その裏で環境に負担をかけている側面もあります。だからこそ、物流を環境に優しく変えていくグリーン物流は、社会全体から期待される取り組みとなっているのです。

企業がグリーン物流に取り組む3つのメリット

グリーン物流は、単に環境に優しいだけでなく、企業の経営にも具体的なメリットをもたらします。環境対応を「コスト」ではなく「投資」として捉えることで、その価値が見えてきます。ここでは代表的な3つを紹介します。
1つ目は、コスト削減です。燃料効率の良い車両の導入や配送ルートの最適化は燃料費の削減に直結します。また、倉庫の省エネ対策や梱包材の削減は、光熱費や資材費の抑制につながります。グリーン物流は、環境配慮とコスト削減を同時に実現できる手段といえるでしょう。
2つ目は、企業価値・ブランドイメージの向上です。環境意識の高まりを背景に、顧客や取引先は環境に配慮した企業を選ぶ傾向が強まっています。国の表彰制度や認証マークを取得すれば、対外的なアピールにもなり、企業イメージの向上が期待できるとされています。
3つ目は、ESG投資の観点での評価です。環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)に配慮する企業を重視するESG投資が広がる中、グリーン物流への取り組みは投資家からの評価につながる可能性があります。持続可能性への姿勢が、長期的な競争力の強化を後押しします。

【輸送・配送編】企業のグリーン物流取り組み事例


輸送・配送は、物流の中でもCO2排出量が大きく、削減効果が最も表れやすい領域です。代表的な取り組みが「モーダルシフト」です。モーダルシフトとは、トラック輸送を、より環境負荷の小さい鉄道や船舶に切り替えることを指します。輸送量あたりのCO2排出量は、トラックに比べて鉄道や船舶が大幅に少ないとされ、長距離輸送で特に効果を発揮します。CO2削減だけでなく、一度に大量の荷物を運べるため、ドライバー不足の解消にもつながると期待されています。
実際の事例として、製紙大手の王子製紙は、長距離トラック輸送に頼っていた製品輸送を、RORO船を用いた海運に切り替えました。この取り組みにより、CO2排出量を年間73.5トン(前年比33%)削減し、ドライバーの運転時間も大きく削減したとされています。この成果は国土交通省の表彰も受けています。
また、複数企業が連携する事例もあります。大王製紙やサントリーホールディングスなどが協力し、関東〜関西間で異業種の製品を同じコンテナで運ぶ「ラウンド輸送」を導入した事例では、トラックから鉄道へのモーダルシフトにより、CO2排出量を年間約100トン(62.1%)削減したとされています。
このほか、複数の企業が荷物をまとめて運ぶ「共同配送」も有効です。車両台数を減らすことで、CO2排出量と輸送コストの両方を抑えられます。さらに、電気自動車(EV)など低公害車の導入や、急発進・急加速を控える「エコドライブ」の推進も、輸送段階で取り組みやすい施策です。

【倉庫・梱包編】企業のグリーン物流取り組み事例

輸送だけでなく、倉庫や梱包の領域にもグリーン物流の取り組みは広がっています。倉庫は電力を多く使うため、省エネ化による効果が大きい場所です。
代表的な取り組みとして、照明のLED化があります。従来の蛍光灯からLED照明に切り替えることで消費電力を削減でき、人感センサーやタイマーを組み合わせるとさらに効果的です。また、高効率な空調設備の導入や断熱対策により、空調エネルギーを抑える方法もあります。倉庫の屋根に太陽光発電システムを設置し、再生可能エネルギーを活用する企業も増えています。
荷役の面では、フォークリフトなどの省エネ運転やアイドリングストップ、適切なメンテナンスも、地道ながら効果のある取り組みです。
梱包の領域では、資源の節約とコスト削減を両立する工夫が進んでいます。具体的には、過剰な包装を見直す簡易包装の推進、再生材やリサイクル可能な素材を使ったエコ梱包材の採用、繰り返し使える通い箱(オリコン)の活用などが挙げられます。こうした取り組みは、廃棄物の削減にもつながります。
倉庫内で発生する梱包材や不良品などの廃棄物を分別し、リサイクルを徹底することも重要です。輸送・倉庫・梱包の各段階で施策を組み合わせることで、物流全体の環境負荷を着実に下げていくことができます。
倉庫・梱包の取り組みは、輸送に比べて自社の判断だけで始めやすいのも特徴です。照明のLED化や簡易包装の見直しなどは、大規模な投資をしなくても着手できるものが多く、グリーン物流の入り口として取り組みやすい領域といえます。小さな改善を積み重ねることが、結果として大きな効果につながっていきます。

グリーン物流推進において企業が直面する課題と解決のポイント

メリットの多いグリーン物流ですが、実際に推進しようとすると、いくつかの課題に直面することがあります。
代表的な課題が、リードタイム(納品までの時間)の長さです。例えばモーダルシフトで船舶を利用すると、トラックより輸送に時間がかかる場合があります。受注翌日納品が一般的な中、この時間差がネックになりがちです。解決のポイントは、納品条件の見直しです。すべてを翌日納品にこだわらず、急がない荷物は翌々日納品に切り替えるなど、自社の輸送条件を再検討することが求められます。
次に、導入コストや設備投資の負担です。低公害車や省エネ設備の導入には初期費用がかかります。この点については、国や自治体の補助金・支援制度を活用するのが有効です。車両導入支援やモーダルシフトに関する補助制度が用意されているとされていますので、申請スケジュールを確認しながら活用を検討するとよいでしょう。
また、自社単独では効果が出にくいという課題もあります。共同配送やモーダルシフトは、他社との連携によって実現しやすくなります。国や経済産業省・国土交通省が運営する「グリーン物流パートナーシップ会議」のような枠組みでは、企業間の協働を支援する仕組みがあり、優良事例も公開されています。こうした場を活用し、他社と連携することが解決の糸口になります。同業他社だけでなく、輸送ルートが近い異業種と組むことで、より効率的な配送網を築けるケースもあります。

まとめ:企業が今すぐ始めるべきグリーン物流の第一歩


グリーン物流は、CO2削減や廃棄物削減によって持続可能な社会に貢献するだけでなく、コスト削減や企業価値の向上といった経営上のメリットももたらします。モーダルシフトや共同配送、倉庫の省エネ化、エコ梱包材の導入など、取り組みの選択肢は幅広く存在します。
最初の一歩としておすすめなのが、自社の物流における環境負荷の「見える化」です。輸送距離や燃料消費量、倉庫のエネルギー使用量、積載率などのデータを把握することで、どこに無駄があり、何から着手すべきかが明確になります。現状が数値で見えるようになると、社内での合意形成や目標設定もしやすくなります。現状把握から始め、できることから少しずつ取り組んでいくことが、持続可能な物流への確かな前進につながります。まずは自社の物流を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。

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